アウアナ

現代フラダンス|Hula Auana(フラアウアナ)

フラには2つのジャンルがあります。
ひとつは古典フラ「カヒコ」もうひとつは現代フラ「アウアナ」
アウアナはどんな踊りなのでしょうか。

フラ復活とともに生まれたジャンル

フラはカメハメハの没後、王位を継承したリホリホ王が1819年に王妃カアフマヌの援助を得て、何世紀も続いてきた数々のカプ(禁制)やハワイの習慣を前面廃止した。その中に半裸体で踊るフラもキリスト教の道徳に反するものとして廃止されてしまいました。これは、19世紀後半にカラカウア王が過去数十年か滅亡していたフラを復活させるまで続きました。この時に、過去の厳格なフラの修行の伝統や習慣がだんだんと少なくなってきています。
20世紀後半になると、ハワイが太平洋のリゾート地として世界中から観光に大勢の人が訪れるようになると、フラは宗教的な性格を失い、アウアナフラの魅力ある動きこそがフラと認知されるようになっています。

優美で美しいダンス

アウアナフラは、現代フラとも言われ、ハワイアンミュージックの中でも特に男女の愛を歌った歌詞に合わせて、ウクレレやギター、ベース、ピアノによる演奏とともに踊るものです。アウアナはハワイ語で「漂う」という意味の言葉で、漂うような優美な動きで見る人を魅了します。ダンサーは華やかな衣装やレイ、アクセサリーを身につけ、ホテルやレストランなどのステージで美しく踊ります。日本でも最初にフラを学び始めの人が出会うのが、このアウアナです。アウアナの面白いところは、新しい曲が日々発表されるたびに、新しい振り付けとともにダンサーによって舞われ、踊れる対象の数が増えて行っているということです。踊り続けていれば、常に新しい曲から作られる新しいダンスを踊ることができるのです。

振り付けは各教室独自のもの

カヒコでもアウアナでも、ダンスの振り付けをするのはクムと言われる先生で、同じ曲でも教室によって踊り方は違います。これは曲を聴いた時の解釈が人によって違うからです。フラを学んでゆくと振り付けの好き嫌いで、教室を選ぶという人もいるほど大切なものです。クムと呼ばれる先生は、男女両方いてカヒコの振り付けが得意なクム、ワヒネアウアナ(女性の現代フラ)が得意なクムなどそれぞれ指導者にも得意、不得意があります。また、この好き嫌いで教室を選ぶという人もいます。
この振り付けは、まねしてはいけないという掟があり、教室によっては許可なく人前で踊ることを禁止しているところもあります。フラのコンサートやイベントで、動画撮影が禁止されているのは、振り付けを盗まれることを嫌うクムからの要望が多いからです。
また、メレフラと呼ばれる自由にフラを踊ることが許された場では、同じ曲で違う踊り方を一度に見ることができる楽しさがあります。

アウアナの衣装

アウアナの衣装はドレス+レイに頭につけるココ、ハク、花飾りが基本。ドレスに使われる素材もいろいろです。踊る曲の歌詞に合わせたものや、コンペやコンサートが行われる場所にちなんだもの。あるいはハワイの歴史や王国の歴史に基づいたものなどがテーマになります。華やかな衣装は、ダンサーの楽しみのひとつです。また、深く知れば知るほど、その意味を理解できるようになるので、踊るだけでなく見ることも楽しくなる要素にもなります。

メリーモナークフラフェスティバル

ハワイでの最大のフラコンペティションは毎年4月にハワイ・ヒロで開催されるメリー・モナーク・フラフェスティバルです。このコンペはハワイでは重要な文化的行事で、ハワイはもちろん、世界中でフラを教えるクムがヒロ公会堂に集結し、1,000人以上のダンサーが優勝目指してしのぎを削ります。
19世紀の後半に、禁制とされていたフラを、カラカウア王(1836-1891)が復活させました。カラカウア王は華やかで陽気な生活を送っていたため、メリー・モナーク(陽気な君主)と呼ばれていたことから、そのまま大会のタイトルとなっています。この大会で優勝したハーラウ(教室)は、名声を手にできるのと、ミスアロハフラと呼ばれる女性のソロダンサーに与えられる賞を得れば、将来の栄誉が約束されていると言われています。初代(1971年)のミス・アロハフラは、アロハ・デリレイ(ダリレイ1960-2014)で、64歳で亡くなるまでハワイだけでなく日本や世界から尊敬を集め、その一族はフラの名門として今も特別な存在とされています。
審査される対象は、作詞・作曲・衣装・振り付けなどで、その年の曲や衣装、踊りのトレンドとして、日本のフラ教室の運営にも大きな影響を及ぼしており、この時期は、日本のフラ指導者のほとんどがヒロに行ってしまいます。ハワイのクムたちが、真剣に戦う場でもあるので、フラの真実の芸術美を見られる唯一の場とも言われています。近年では、ミスアロハフラに、日系人も選ばれています。このステージに立つことは、フラダンサーのあこがれであり、このメジャーなステージを目指す日本人ダンサーもたくさんいます。

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